私たちのものづくり#8

私たちのものづくり #8 有機栽培を大きな規模で実現する。つくり手の夢から生まれた「日本一」のさつまいも 私たちのものづくり #8 有機栽培を大きな規模で実現する。つくり手の夢から生まれた「日本一」のさつまいも

自然な甘みとなめらかさ。農薬・化学肥料を全くつかわない有機栽培(オーガニック)の紅はるか

自然な甘みとなめらかさ。農薬・化学肥料を全くつかわない有機栽培(オーガニック)の紅はるか

ハンデルスベーゲンがお届けする、2023年に新登場したフレーバー「紅はるかミルク」。

日本を代表するさつまいもの品種である紅はるか。その甘みとなめらかさを存分に感じられるこのフレーバーには、昨年に創業60周年を迎えた茨城の「照沼」の紅はるかが使われています。香ばしさを出すために焼き芋を丸ごとミキサーにかけてミルクベースに混ぜ込んで作るアイスと、有塩バターとはちみつを効かせたスイートポテトのようなペーストをマーブルに混ぜあわせ、トッピングに丸干し芋を乗せた、手間のかかったリッチなアイスです。

自然な甘みとなめらかさ。農薬・化学肥料を全くつかわない有機栽培(オーガニック)の紅はるか
自然な甘みとなめらかさ。農薬・化学肥料を全くつかわない有機栽培(オーガニック)の紅はるか

ハンデルスベーゲンの中野さんは、特に「照沼」の丸干し芋を食べた時にその美味しさに感動し、ぜひこちらの紅はるかをアイスクリームにしてたくさんの方に食べていただきたいと思ったそうです。干し芋として一般的にイメージされるさつまいもを平切りにした「平干し芋」に対して、小さめのさつまいもを一本蒸してそのまま干すのが「丸干し芋」。ねっとりとした食感と甘みの強さが特徴で、芋一本丸ごとの栄養価が凝縮されています。

そんなさつまいもをつくる「照沼」は、どのような想いでものづくりに取り組まれているのか、「照沼」の取締役社長を務める佐々木さんにお話を伺いました。その背景には、日本の農業に対する危機感と、つくり手としての夢がありました。

株式会社 照沼 取締役社長 佐々木 貴史

株式会社 照沼

取締役社長 佐々木 貴史

1976年生まれ。京都大学を卒業後、約18年間建設会社で勤務。偶然参加したセミナーをきっかけに、農業の世界へ。その後約半年間、タイにて大規模なオーガニック農業を学び、埼玉県で就農。農作業をしながら作物を育てる経験を経て、2021年6月より株式会社照沼の取締役社長に就任。

有機であることを、大きな規模で実現することの意味

他の農園と違う、「照沼」の凄みはどこにあるのでしょうか。その一つは、農薬、化学肥料を全く使わない有機栽培(オーガニック)という手間のかかる農法を50ヘクタールという大きな規模感で実現していることにあります。

現状日本のさつまいも農園の約99%は、農薬や化学肥料を活用した慣行栽培。「農薬や化学肥料を活用した安定的な農業が、これまで日本の人口増加に寄与したことは間違いないと思います。でもこのままだと、土や微生物が死んでしまう。強い薬を使うのでつくり手の体調にも影響が出てしまう。そんな現状をどうしても変えたかったんです」

有機であることを、大きな規模で実現することの意味
有機であることを、大きな規模で実現することの意味

元々ゼネコンで働いていた佐々木さんは、たまたま参加したセミナーで日本の農業が抱える課題を知り、居ても立っても居られずに会社を辞めて農業の世界に飛び込みます。有機栽培は突き詰めるほどに大変なことが多く、人も職人的な技術も必要で、上手くいかないことも多かったそうです。それでも諦めずに、地道に取り組んできました。

さらに大切なこととして、ただ有機栽培を実現させるというだけではなく、ある程度の規模感で数多くのさつまいもをつくるからこそ適正価格で流通させることができる、と佐々木さんは言います。「そして、難しいという目で見られている大規模な有機栽培で利益を出せると証明することで、他の農園にも後に続いてもらいたい。その積み上げで、日本の農業全体が変わっていくことが、私たちの目指している世界です」

有機であることを、大きな規模で実現することの意味

一つひとつの干し芋を人の手で仕上げる、丁寧なものづくり

一つひとつの干し芋を人の手で仕上げる、丁寧なものづくり

農薬、化学肥料を一切使わず、自然由来のミネラルや堆肥といった天然肥料のみを与えて作る「照沼」のさつまいもは、自然の甘味と滑らかな食感が特徴で、干し芋にすると黄金色に輝いて見えます。「さつまいもが本来持っている味や甘み、そして力を引き出すことを常に考えています。甘さ控えめでさっぱりと毎日食べられるような、素朴な甘さが理想。無駄なものは入れずに、必要な肥料を厳選することが大切なんですよね」と、佐々木さん。

一つひとつの干し芋を人の手で仕上げる、丁寧なものづくり
一つひとつの干し芋を人の手で仕上げる、丁寧なものづくり

ここでつくられる干し芋の一つひとつが、蒸した芋の皮を剥き、スライスして干すという、昔から変わらない製法により人の手で一つひとつ丁寧につくられています。その過程で芋に変色等があった場合には、細かくハサミで切り落とす徹底ぶり。もちろん保存料などの食品添加物を一切使わずに、最後まで自然な干し芋づくりにこだわっています。

まさに、ハンデルスベーゲンのものづくりと通じる想いが、「照沼」にはありました。こうして「無駄なものは入れない、必要な手間はかける」という、健康優良児的に磨き上げられたさつまいもだからこそ、芋本来の味や甘みが最大限に引き出されているのです。

一つひとつの干し芋を人の手で仕上げる、丁寧なものづくり

そして得た、対外的な大きな評価

そんなさつまいもづくりにおける情熱が高く評価され、「照沼」の紅はるかが「日本さつまいもサミット2022 さつまいも・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。有機栽培によるさつまいもづくりへの飽くなき挑戦が、一つの実を結んだ瞬間です。

「今でも思い出すのですが、紅はるかの産みの親でもある山川名誉実行委員長に、”これこそが紅はるかだね、完璧だね” とおっしゃっていただいたんです。言葉にならない、胸に込み上げるものがありましたね。全くの白紙から始めた有機栽培が、やっと認められたという万感の想いでした」と、佐々木さん。

慣行栽培でつくられた紅はるかは、甘みに特化してつくられる傾向があるそうです。最近は甘ければ甘いほど良いというブームのようなものもありますが、「照沼」が目指しているのはそこではありません。有機栽培によるわざとらしくない、自然な甘みと香りが、高い評価を得たのです。

有機栽培でたくさんの美味しいさつまいもをつくるという夢が、大きな一歩を刻みました。

そして得た、対外的な大きな評価

紅はるかの美味しさが詰まった、ハンデルスベーゲンのアイス

紅はるかの美味しさが詰まった、ハンデルスベーゲンのアイス

「有機栽培を大規模に」という高い志を実現しているからこそ提供できる、干し芋やペーストといった質の高い様々な加工品。そういったものがあるから実現できたハンデルスベーゲンの「紅はるかミルク」は佐々木さんの目には、どのように映ったのでしょうか。

「実はさつまいもを使ったアイスクリームは、私たちもOEMでつくってみたことがあるんです。でも、どうしても味のバランスが難しくてパッとしなかったんですよね。それに比べて、ハンデルスベーゲンのこのアイスは、お世辞抜きでダントツで美味しかった。濃厚だけどくどさがない。また、焼き芋の風味や、スイートポテトのようなペースト、丸干し芋といった色んな工夫が詰まっているので、普段甘いものはあまり食べないのですがこれは飽きずに食べ切ってしまいましたね」

良いものを届けたい。自分たちが正しいと思うもの、信じているものを届けたい。そんな「照沼」とハンデルスベーゲンの想いが重なる「紅はるかミルク」。ぜひ日本一の紅はるかならではの自然な甘みと、様々な工夫が詰まった楽しさを味わってみてください。

株式会社 照沼 公式HP  2022-2023秋冬フレーバーはこちら